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今まで野営禁止であった知床沼ですが、今年7月から一部区域に限り認められることになりました。
知床沼は知床岳登山のキャンプ地として昔から利用されてきました。
しかし脆弱な湿原植生の破壊が懸念されて、2007年より知床半島先端部利用の心得において野営禁止となりました。
知床岳登山の心得
今回は、植生への影響が少ない一部区域(10m四方、テント5張程度の広さ)が、野営禁止区域から解除される予定です。区域は6月に現地調査の上、決定されます。
解除区域はロープなどで明示されます。
理由は、
・代替野営地として最も利用されていた青沼からだと、知床岳への距離が長すぎて日没までに帰着が難しく、遭難の危険性がある。
・青沼以外の湿原にテントを張るパーティーも見受けられ、他の湿原植生の破壊が懸念される。
・知床沼へテントを張るパーティーが後を絶たず、ルールが有名無実化している。
・野営禁止措置が取られた時期より利用者は減っており、湿原植生に影響を与えない区域を明示することにより、知床沼の湿原植生破壊を防ぐことができる。
今回のルール改正は、私が所属する羅臼山岳会と斜里山岳会の共同提案という形で、知床エコツーリズム戦略会議にかけられ了承されました。
起案から了承まで約1年間、羅臼山岳会と羅臼町役場が中心になり、環境省、林野庁など関係機関と協議を重ねてきました。
私はこの件について環境省にパブコメを出すなど数年前から希望していましたが、今回ようやくこの理不尽なルールが一部改正されてホッとしています。尽力してくださった皆様には深く感謝いたします。
が、しかしこのルール改正によって知床沼での野営が増大し、植生が破壊されるようなことがあってはなりません。
今後もモニタリングを続け、もし植生に影響が出るようになれば再び野営禁止になる恐れもあります。
我々地元ガイド含め、知床沼を利用する登山者全ての配慮が必要ですのでご協力のほどよろしくお願いします。
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1132峰と知床沼(5月)