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今年も環境省による海岸トレッキングルート巡視業務のサポート約として、知床岬まで往復3日間かけて歩いてきました。

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奥はタケノコ岩

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巨岩帯

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ペキンの鼻から岬方面を望む

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ヒグマをやり過ごす。人を見ても逃げないヒグマが増えています。
3日間で延べ10頭と遭遇。

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テン場にて。食料はフードコンテナに保管が基本です。

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懸垂下降。
残置ロープは傷んでいる可能性もあるので使用しない。

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カブト岩の下降。ここも年々斜面の崩壊が進んでいる危険個所。

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岬灯台にて。
とんでもない強風で滞在1分ほどで退散しました。

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知床岬は横殴りの風雨、これぞ知床の洗礼。

へつりや高巻きなど難所については、例年と大きな変化はありませんでした。
ただ、モイレウシ南側の崖が一部崩落しており、岩登りの際に危険度が増しています。
しっかりとロープで確保する必要がありますね。

半島先端部の自然は厳しく、重荷を背負っての石浜歩きは体力、足の負担も大きい難ルートです。
ヒグマとの遭遇は当たり前で、突然至近距離の藪から出てくることもあります。
ただ、日本の極地と言える知床岬へ到達したときの達成感はきっと生涯忘れることのできない思い出となるでしょう。

一度は目指してほしい知床岬への路です。(特に体力のある若者!)

知床岬へのトレッキング情報はルサフィールドハウスにフィードバックしています。
しっかり事前準備と情報を仕入れてから出発してください。

知床半島先端部利用の心得

ここ数日は地質調査のサポート業務でした。
昨年までに行けなかった沢や、再度サンプルを採取しなければならない地点など、補足的な調査です。

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ガスガスの知床峠付近でハイマツ漕ぎ

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根気のいる火山灰調査

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雪渓を利用して天頂山へ。久々の羅臼岳がお目見え。

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天頂山火口湖。5月下旬から雪解けはほとんど進んでいませんでした。

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サシルイ川源頭を再訪。昨夏は1泊で沢から詰めたが、今回は登山道から雪渓を利用して日帰りアタック。

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シーズン初の沢は、カムイワッカ下流部へ

ハイマツ、雪渓、沢、登山道とバリエーションに富んだ数日間でした。

おまけ
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知床連山にかかる滝雲。
羅臼は雨で8℃、ウトロは天気も良く16℃。
今日は夏の知床らしい天気でした。

2泊3日で大雪山系、旭岳~トムラウシ山まで縦走してきました。

5/28 旭岳温泉~旭岳~間宮岳~北海岳~白雲避難小屋

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姿見まではロープウエイで。朝のうち見えていた旭岳も山頂ではガスに覆われ、風もしだいに強くなる。

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北海岳までの稜線歩きは強風に耐えながらの行動。体感気温も氷点下。

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途中で学生パーティーに追いつく。風も強く、白雲岳ピークを諦めて避難小屋へ下る。
今回は雪解け時期限定「白雲幻の湖」は断念した。

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白雲岳避難小屋へ着くころには雪が降り始める。小屋はまだ営業していなかった。

5/29 白雲岳避難小屋~高根ヶ原~忠別岳~五色岳~ヒサゴ沼

夜半は猛吹雪。
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朝起きると、晴れて一面雪景色だった。

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朝陽に染まるトムラウシ

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天気は良いが、強風と新雪ラッセルで扱かれる。
この付近はもろに強風を受けるので雨や雪が付いたらとても進めない箇所。

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ルートも新雪がハイマツに被り不明瞭だった。登山道を外さないように慎重に行動。
この状態は体が濡れて体温が奪われるのでけっこう厳しい。

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ヒサゴ沼とトムラウシ山。ここまで白雲小屋から8時間ほど。化雲岳ピークは強風でパスした。

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ヒサゴ沼避難小屋とニペソツ山

5/30 ヒサゴ沼避難小屋~トムラウシ山~トムラウシ温泉

ヒサゴ沼避難小屋は貸切でとても快適であった。
白雲小屋で一緒だったが学生パーティーと「また今夜」と言って別れたのだが結局この日は来なかった。

夜明け前に起きると、風も止み高曇りで見通しも良い。
悪天候だったら化雲岳~天人峡へ下る予定だったが、トムラウシ山を目指すことにする。

日の出とともに出発、ロックガーデンはもう雪がなく岩場歩き。
天沼など湖沼群はほとんど解けていなかったが、北沼は雪解けで美しい色を出していた。
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トムラウシ北沼

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山頂直下、雪解け時期だけの火口湖?

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ようやくたどり着いた6年ぶりのトムラウシ山頂。
その後はトムラウシ温泉へ。途中まで残雪のおかげでサクサク降りて、お昼前には下山。
全行程45㎞の長丁場、広大な大雪山系を3日かけて思う存分堪能できました。

下山後の車回収をまったく手配していなかったにもかかわらず、知人の地元ガイドが迎えに来てくれて本当に助かりました。
ありがとうございます。

このルートは7年前に大量遭難死亡事故が起きているが、今回通して歩いてみてやはり危険なルートだと感じました。
アップダウンはそれほどないが、ルートが長大でハイマツもないザレ場の稜線がほとんど。まったく風が避けられない。
今回は冬山とほぼ同じ装備だったので、寒くても何とかなりましたが。
真夏でも悪天候であれば相当厳しいルートなので、戒めとして良い経験ができました。