今回の旅で五島に渡る目的は、18年ぶりの旧友に逢うため。
彼は海水から天然の塩を製造して生計を立て、自給自足を高いレベルで実践している。
くらしの学校「えん」
それは五島列島の中通島(新上五島町)の中心から車で20分ほど離れた小さな集落にある
ここは彼が来るまで廃村だった。
彼が単身移住して森を切り開き、塩の製造で成功したことがきっかけで集落は復活したそうだ。
環境教育として、子供たちとともに自給自足生活を営むキャンプを実施している。
今回は海水から塩を作る工程を見学させていただいた。
24時間、ほぼ一年中休みなしで火をたき続けるとのこと。
海水から作った天然塩。甘みがあって市販のものとは味が全然違う。
奥さんの千鶴さん(千鶴さんのブログ)
地鶏と烏骨鶏の産みたて卵は激ウマ。
息子の大志君は秘密基地に案内してくれた。
滞在中の天候は最悪で、強風、大雨、さらには雹や霰までも。
「北海道から寒波を連れてきたな~」
といわれ、まったくそのとおりでございます、というしかない。
最終日は嵐の中、外で石釜ピザパーティー
これがまた美味かった。
18年ぶりの酒を酌み交わしながら、彼が今までの道のりを語ってくれた。
「田舎暮らし」とか「エコライフ」とか、そんな生易しいものではない、本物の生き方に圧倒された。
これまで、何度もテレビやマスコミの取材を受けてきたとのこと。
しかも、今回は県立長崎大学の授業で講演を頼まれているらしい。
というわけで、僕も一緒に島を出て大学の講演を聞きに行くことに。(大学の許可は得ています)
学生に混じって彼の生き様や自然に対する考えを受講してきた。
その後は大学教授を交えて3人で飲んだ。
僕の北海道での暮らしにも興味を持ってくれたらしい。
久しぶりの一人旅、後半は旧友と呑んでばかりだった。
皆いろいろな生き方をしていて、たくさんの刺激を受けて帰ってきました。
ともあれ、僕はここで生きていきます。
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前回の続きです。
屋久島を朝一番の高速船で離れ鹿児島へ。
朝陽と種子島
鹿児島からはレンタカーで一気に大分は別府まで移動。
由布岳。豊後富士と呼ばれる見事な山容。
別府の隣町、日出(ひじ)に住む友人宅にお世話になった。
6年前まで羅臼に赴任していた学校の先生で、羅臼山岳会では一緒に知床の山々に登った岳友だ。
ピカピカの新居は、別府温泉の夜景が一望できる絶景リビング付。
久しぶりの再会ということもあり、夜景を肴に夜遅くまで酒を酌み交わす。
翌日は一緒に由布岳を登る予定であったが、悪天候で断念。
もし悪天候じゃなくても、二日酔いで行けたかどうか。
代わりに別府温泉を案内していただいた。
別府がいかに潤沢な温泉か、この景色で納得。
時おり、激しい雨が降る温泉街を散策後、友人と別れて湯布院へ。
九州横断道路は紅葉が見頃で、まるで10月の知床横断道路を走っているようだ。
晴天なら、由布岳や鶴見岳を見ながらの素晴らしいドライブコースだろう。
湯布院の温泉でまったりしてから、西へ向う。
目標は佐世保だが、12年ぶりの旧友に逢うため大牟田へ立ち寄る。
彼の実家はみかん農家で、ちょうど収穫期。
積もる話もそこそこに、選別作業を手伝うことに。
ここには12年前もみかん収穫の手伝いに立ち寄ったことがある。
ご両親が僕を覚えていてくれたのは嬉しかった。
翌日の行き先を聞かれ、佐世保から五島へ渡ると言ったら、
「ここからならフェリーが良いよ」とのこと。
なるほど、有明海を渡って長崎へ行くのか!これは思いつかなかった。
というわけで朝一番のフェリーで有明海を渡った。
多比良港と雲仙岳
僅か40分の船旅、乗客は運送関係のおじさんしか居なかった。
佐世保まで走ってレンタカーを返して五島行きの船を待つ。
その4へつづく
屋久島の続きです。
縦走した翌日は、ガイドオススメの「西部照葉樹林ツアー」に参加。
現地に着くなり、ヤクザルやヤクシカの群れが林道まで出てきて野生度抜群。
シカは知床で見慣れているが、シカとサルが至近距離で混在しているのには驚いた。
これはサルが木の上で実を食べて、そのカスを狙ってシカが集まるとのこと。
サルは行為やしぐさが人間らしくて面白いので、何時間見ていても飽きない。
行為中のカップルにちょっかい出すオスジカ。
西部照葉樹林は、常緑、亜熱帯の植物が中心で、
巨大なガジュマルやアコウの木に圧倒された。
屋久島におけるシカと森の変遷や、木の習性など、詳しく解説してくれた。
屋久島といえば杉の原生林が有名だが、ここは日本で最も大きな照葉樹林で世界自然遺産登録のキーポイント、屋久島の自然を語るには欠かせない場所だそうです。
今回、宮之浦岳縦走と西部照葉樹林のガイドをしていただいたのはYNAC。
いずれもガイド歴20年以上のベテランガイドで知識や見識が凄い。大変勉強になりました。
そして次の日はモッチョム岳へ単独行。
この岩峰、屋久島に着いた初日に見て登りたくなった。
登山口から予想通りの急登が続くかなりキツイ山だったが、距離がないので3時間ほどで山頂へ。
山頂からの眺めは抜群で、トカラ列島も望めた。
山頂で逢った単独行者は信州の登山ガイドだった。話していたら偶然にも苗字が同じだった。
こんな奇遇もなかなかないので、お互いのフィールド情報交換しながら一緒に下山した。
登山口の千尋の滝
最終日は島一周の観光と温泉三昧。
屋久島は山、海だけでなく、野趣溢れる温泉もたくさんある。
湯泊温泉。相泊温泉と一字違い。
平内海中温泉。ここは満潮時に水没する。
知床ではセセキ温泉というところか。
この二つの温泉はすぐ近くで、これも相泊セセキと似ていた。
その他にも尾之間温泉という地元民御用達の公衆浴場が素晴らしかった。
その他、大川の滝、トローキの滝などの名瀑を観光。
トローキの滝はカシュニと同じく、直接海に流れ落ちる滝だった。
トローキの滝とモッチョム岳
最後に屋久島へ移住した旧友に10年ぶりの再会を果たすことが出来た。
まだまだ登りたい山、行きたい場所がたくさんあり、たった5日間ではとても足りなかったが、
現地ガイドや地元住民にいろいろ教えていただき、とても有意義な滞在だった。
屋久島の凄いところは、たった年間観光客20万人(知床は200万人)で観光・ガイド関連の仕事がやたら多いということ。
離島という条件はあるが、ここに来た観光客はかなり地元経済に貢献している印象だった。
見る場所、歩く場所が無数にあり、観光客へのサービスも充実している。
早朝からのお弁当サービスや、登山用具のレンタル、レンタカーは激安で、安宿も多いが超高級ホテルもある。
とにかく長期間滞在してもらおうというホスピタリティが感じられた。
好みにもよるが、登山者やバックパッカーであれば断然屋久島の方が良いと感じるだろうと思われた。
知床とは気候も自然も違うので真似はできないが、学ぶべきところがたくさんあるので今後の仕事に少しでも生かせればと思案中です。
その3 九州編につづく
この時期恒例の南国逃避行、今年は九州へ。
前から行きたかった屋久島へようやく行くことができた。
鹿児島まで飛行機を乗り継ぎフェリーで屋久島へ渡るも、港でいきなり大雨の洗礼をうけて全身ずぶ濡れ。
明日からの宮之浦岳縦走が思いやられたが、翌日は晴れ。
今回は屋久島の自然や観光への取り組みを勉強したくて、ガイドツアーに申し込んでみた。
同業者にいろいろお話も聞けたし、なにより山中泊なのに軽荷で歩くことができた(笑)
稜線までは素晴らしい天気でしたが、だんだんガスが上がってきて
宮之浦山頂では残念ながら展望なし。
山頂を越えて島の北側へ降りはじめたら、冷たい北風をもろに受けてめちゃくちゃ寒い。
南とはいえさすが2000mの山、稜線は厳しかった。
花崗岩の山なので、滑りやすい岩場が続く。
樹林帯に入ってようやく一息。
ヒメシャラの森。ガスがかった木々が美しい。
屋久島の森は晴れよりガスや雨が似合うと言われるのに納得した。
ベテランガイドの詳しい解説を聴きながらのゆっくりペースだったので、約11時間かけて山小屋に着いたのは日没ギリギリだった。
新高塚小屋はこの時期だというのに20人以上泊まっており混雑していた。
さすが屋久島、夏山シーズンが長くて羨ましい。
翌日は日の出とともに出発、ここからが核心部らしい。
薄暗い屋久杉の森に圧倒された。ここは光射す前が断然素晴らしいと思う。
樹齢1000年を越える巨木がそこらじゅうにある。
この時間にこの森を歩けたことが、一番印象的だった。
知床の森にはないこの感覚、言葉ではうまく表現できない。
そして、縄文杉に到着。朝早い時間なので貸切だった。
たしかにものすごくでかい、太い。
年間10万人もの人が目指すのもわかる気がした。
ここからはひたすら山道(というか木の階段)をひたすら下る。
10時過ぎくらいから続々と登山者が縄文杉目指して登ってきた。
2~300人とすれ違った。狭い階段は片側交互通行で15分待ち。
ガイド曰く「今日は少ないほうですよ。」
ほとんどがガイド付ツアーだった。
ガイドも全部で200人くらいいるが、ピーク時はそれでも足りないらしい。
その後はトロッコ道から白谷雲水峡へ下山、2日目も12時間行動、日没ギリギリだった。
行程が長く岩場も多い、なかなかタフなコースでした。
知床でのお客様(特に羅臼岳登山)は屋久島縄文杉を歩かれた方がやたら多い。
これでやっと、屋久島の話ができる。
おまけ
ウィルソン株のハート
その2へつづく
そろそろ冬山を味わいたく、羅臼岳へ。
思えば今夏は、仕事の山ばかりでした。久々のプライベート登山です。
例年通り、泊場を過ぎたあたりから登山道に雪が。
中途半端な積雪で、足が抜かって非常に歩きにくい。
屏風岩は昨年の今時期に比べ、雪はまだ少なかった。
屏風岩上部より
お花畑標柱あたりから雪がクラストして固く、アイゼン装着。
山頂付近は時おり晴れ間が出るも、猛烈な風が吹いている。
風速15m近い烈風を受けながら、何とか岩清水到着。
ここまで来ると写真撮るのも大変。
さすがにこれ以上は危険なので、撤退しました。
山頂溶岩ドームは雪と氷の世界
お望みどおり冬山を存分に味わって下山。
最初からここまで厳しい仕打ちに遭うとは・・・
ピークには行けませんでしたが、久々にアイゼンの音が小気味よく響きました。
知床の山はまもなく冬本番です。