稜線縦走

ラサウヌプリは遠音別岳と海別岳の中間に位置し、斜里へ向かって派生する「ラサウの牙」と呼ばれる岩稜を抱えてる。前回の山旅で稜線から見えた痩せ尾根があまりにキレイだったので辿ってきました。
羅臼峯浜から入山し、陸嶺川源頭550にBC設営。もう少し高度を上げたかったが稜線は風が吹き荒れている。
翌朝早出するが、相変わらず稜線はガスと強風。とりあえずラサウヌプリだけでもと思い、視界の効かない細尾根を辿る。
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例年ならハイマツ漕ぎだが、今年は雪が付いて歩きやすかった。
展望ゼロのピークを踏んで、さてこれから牙へ行こうか下山しようか迷う
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吹き付けるガスで、自分にエビのしっぽが出来そうだった。
なんとなく空が明るくなってきたのと、予報も良いので「ラサウの牙」へ向うことにする。
稜線を越えて斜里側に300mほど下り、尾根の取り付き部分を探すが視界がなく難儀した。
ようやく牙への尾根に取り付くと、だんだんガスが晴れてきた。
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突然目の前に現れた岩峰
登ってみたら痩せ痩せでした
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痩せ尾根を登ったり下ったり、牙に着くころにはすっかり良い天気になった。
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ラサウの牙
牙の頂上直下は垂直の岩壁。落ちたらイヤなので今回は登らなかった。
帰路はすっかり晴れた稜線を気持ちよく歩く。
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ラサウからの知床連山
稜線で見つけたエゾユキウサギの足跡は、道しるべのようにラサウの牙まで続いていた。
おまけ
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今回辿った岩稜(一番奥の突起が牙)

6日ぶりに山から下りてきました。
今回のプライベート山行計画は遠音別岳~海別岳の縦走、5泊6日(予備日含)です。
初日は陸士別川源頭にBC設営。
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重荷を背負って長い林道歩き。
2日目は最高の天気に恵まれる。
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稜線からのラサウヌプリ。
ラサウの牙(右端の岩峰)
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牙までの細尾根を歩きたくなった。
この日は遠音別岳への往復予定。
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あまりに遠い遠音別岳(左)。計画に無理があったか・・・
それでもいいペースで歩き、7時間かかって山頂へ
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遠音別バットレスと知床連山
下山にかかるとすぐに天気は下り坂
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ところどころはハイマツ漕ぎ
11時間行動で何とか遠音別岳まで往復できました。
そして、3日目以降は・・・
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急激に発達した低気圧につかまり、停滞の日々。
日増しに風雪が強まり、山は厳冬期の様相でした。
5日目に縦走を諦めて下山。
結果的には40km歩き、大きくとおまわりして遠音別岳へ登ったことに。
しかし、テントで昼寝して読書してご飯作って・・・何物にも代えがたい日々です。

前回の続きです。
心地よい南風が吹く春の知床岬。
まだ朝の8時だしのんびり昼寝でもと思ったのだが、よく見ると服にダニがついている。
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昼寝したらえらいことになりそうなので、そそくさと出発。
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赤岩の海岸線。
このあたりは我が家の本籍地。今年も来ることができた。
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カブト岩の山越え。
最上部は土が凍って氷壁のよう。通過にザイル、アイゼンピッケル使用。
念仏岩の高巻きも同様に通過。
今回、行きの稜線では傾斜がゆるくスノーシューがほとんど、アイゼンはあまり使わなかったが、帰路の高巻きではアイゼンが大変役に立った。
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普段より水量の多い女滝
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滝川(クズレ滝)付近で幕営。
4/12 7:00C2~7:45知床岬8:00~10:00カブト岩11:00~12:00念仏岩13:00~14:30滝川(C3)
4/13 曇りのち晴れ 南西の風
出発してすぐにウニ漁の船外機が岬方面へ走っていった。
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モーターボート競走のよう
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ペキンの鼻よりカブト岩方面。
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重荷を背負ってのへつりは慎重に
際どい箇所は空身でへつって、ロープで荷物を渡した。
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ザックが重くて少し海に浸かってしまったのだが。
モイレウシの巨岩帯に雪が中途半端に残り、踏み抜きが一番怖い箇所
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ここはついさっき通ったばかりのヒグマ足跡があり、参考にさせてもらう。
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トッカリ瀬はうまい具合に干潮に通過できた。
観音岩の難所。固定ロープは半分雪に埋まっていた。
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ザイルで懸垂下降。
4年前はここでザイルが引っかかり未回収、後日回収したが、今回は上手くいった。
これでようやく全ての難所を通過!
ヘロヘロになりながら日没ギリギリ18:00、相泊帰着。この日は12時間行動だった。
6:00C3~9:00ペキンの鼻~10:30モイレウシ~14:00トッカリ瀬~15:00観音岩~18:00相泊
天気はずっと良かったが、まさか4日で帰れるとは思わなかった。
幸いヒグマには遭遇しなかったが、行く先には常に足跡や糞がそこかしこに。
8日分の装備を担いで、結局最後まで荷はあまり軽くならずしんどい海岸歩きだった。
良いペースで歩けたのも、毎日美味しいシカ肉料理が食べられたのもパートナーSさんのおかげです。
4年前、2人で歩いた海岸線は救助要請という重い使命がありましたが、今回はリベンジを果たしてのんびりと帰ることができました。
お疲れ様でした。ありがとうございます!
しばらく石浜歩きは懲り懲り。

4/10~13で知床岬まで縦走してきました。
4年前の3月に挑戦するも、アクシデントで到達できなかった岬へリベンジ。
パートナーは4年前と同じSさん。また僕の我儘に付き合って貰いました。
今回は時期と帰路の海岸歩きを考慮してスキーではなく、スノーシュー。
前回はスキー背負っての海岸歩きで豪い目にあったので。
4/10 相泊を出発、カモイウンベから入山する
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ウナキベツの不凍沼。前回はここに泊まった。
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今回は青沼が一部融けていたので畔で幕営。
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時間が余ったので、崩壊地のルート偵察に出かける。
素晴らしい天気で汗ばむほどの陽気。
9:00相泊~11:00クズレハマ川渡渉~13:00青沼(C1)
4/11 快晴、南西の微風
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崩壊地の登り
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上部では変わった樹氷(?)のお出迎え。
崩壊地を登りきり、ポロモイ台地に出る
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僅かに融け始めた知床沼。
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ポロモイ岳より知床岳方面
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稜線の雪はカリカリ。でも締まって歩きやすく、順調に距離を稼ぐ。
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ウィーヌプリが近づくと雪も減り、腐ってぬかるようになる。
今日中に稜線を抜けることを目標にひたすら歩く。
ウィーヌプリ到着!
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このあたりから稜線にハイマツが出てくる。
岬までの稜線は雪がなく藪漕ぎが予想されるため、ここから斜里側に降りることにする。
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雪のある沢を下降
海岸近くの平地に出たところで幕営。今日はよく歩いた。
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窓岩と夕陽
6:10C1~8:30ポロモイ台地~9:45ポロモイ岳~12:30ウィーヌプリ~15:00ピラヤモマイH100(C2)
4/12 今日も晴れ、岬まであと僅か!
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雪もなくなり、荒涼とした台地へ
知床岬到着!
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岬は一足先に春を迎えていた。
4年前の忘れ物をやっと取りに来ることができた。
さて、帰りは行きよりも辛い海岸歩きが待っている。(後編に続く)

1泊2日で知床岳へ。
相泊までの道路は、相変わらず番屋前で通行止です。
ので、自宅裏から山へ入り知床岳まで行くことにしました。
3/26 自宅裏からスタート
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デブリに見えるのは、我が家の水道ホースを掘り返した後です。
ちなみに番屋の水道は24日に開通させました。
この日、山の上は轟々と風が唸っていた。
北浜岳~トッカリムイ岳をやめて、風裏の斜面をトラバースしながらオショロコツ川源頭へ。
ここから稜線へ出るつもりだったが、風が酷いので早々と停滞する
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H300、昼にはテント張ってひたすら読書してました。
読みたかったハードカバー(重い!)をやっと読了。
夜には風も止み、翌日3/27は予想どおり良い天気。
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国後から昇る朝陽
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稜線に出たらハイマツが予想以上に出ている。
スキーが引っかかって歩きづらいが、強引に突破
稜線から相泊沼が見えた。
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根室海峡にもまだ流氷はかなり残っていた。
知床岳までの稜線は意外とアップダウンがあり、かなり消耗した。
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P862(通称双子山)から知床岳を望む
出発から7時間、番屋から10時間かかりようやく山頂へ
雪は緩んでスキーで山頂まで上がることができた。
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山頂から知床岬方面
快晴微風、こんな穏やかな知床岳は珍しい
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斜里側の流氷
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山頂から気持ちよく滑ることができたが、荷物が重いのでヨロヨロ、かなり足にきていた。
ヘロヘロになりながら17時までかかってようやく自宅へ下山。
全行程30kmの縦走は良い訓練になりました。