調査・整備

6/13 快晴
一日停滞して体力も回復し、満を持しての知床岬アタックです。

カブト岩頂上


カブト岩の下降。支点がないので毎回アンカー持参です。


岬台地はタンポポ満開


国境標と灯台


知床岬到達!


念仏岩BCへ帰着

6/14 晴れ 最終日。今日中に相泊へ帰らなければならない。

BC撤収中


テントを畳んで出発しようとした矢先、突然現れたヒグマ。
遠慮がちにそそくさと目の前を通り過ぎた。


帰路も10時間以上かかる長い道のり


ペキンの鼻の鳥居で安全祈願


モイレウシの高巻き箇所


帰りはひたすら歩く歩く。
メンバーも皆元気いっぱい。天気に恵まれ10時間ほどで相泊へ帰着できました。

帰ってきて知床岳の遭難を知りました。
同じ日に我々も念仏岩で停滞、強風低温で辛い思いをしていたので身につまされる思いです。

知床半島先端部は自然も気象も厳しい日本の極地。
十分な装備と経験、自己の体力技術を把握して行動しなければ危険が伴う場所です。
だからこそ目指す価値があり、徒歩で到達したときの喜びは大きいものです。
日本ではなかなか味わえない探検・冒険の世界がここにはまだかろうじて残っていると思います。

最新の巡視情報はルサフィールドハウスや羅臼ビジターセンターで提供していますので、知床岬や知床岳を目指す人は必ず立ち寄って情報を仕入れてください。
ルサフィールドハウス

おまけ
今回遭遇したヒグマは3頭と例年に比べ少な目でした。

知床岬のオスは大きかった

今年も環境省の巡視業務で知床岬まで歩いてきました。
6月に相泊までの道路が開通したばかりで、数か所か、昨夏の台風被害がまだ残っています。

6/11 曇りのち雨 4:30相泊スタート。

いきなりカモイウンベの橋が崩壊している。かろうじて渡れたが登山靴は濡れることが前提。


ウナキベツの橋も流され、倒木を渡ることに。
これがなくなれば水量が多い川なのでここでも靴が濡れる。
知床岳を目指す人もここを通過する。


岬へのルート名物「へつり」
ホールドは脆く、重荷を背負ってなので見た目より大変。


モイレウシ川も増水。このあたりから雨が本降りになる。


近藤が淵の高巻き


滝川(崩れ滝)の渡渉


12時間かけて念仏岩まで到達。ここをBCとする。

6/12 晴れ。強風低温で真冬並みの寒さ。

一日停滞して体力回復に努める。
知床岬から流れてくる雲が速い。海は大時化で漁船も見えず。

6/13 快晴

洞窟からの朝陽。
風もなく穏やかな朝。今日は岬へ向けて出発できる(後篇へ続く)

羅臼岳(羅臼温泉ルート)、最後の登山道整備はすでに冬山でした。

一昨日から降り積もった雪は標高500mから登山道を覆い隠し、多いところでは30㎝のラッセルを強いられました。
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森林限界を超えると完全に冬山

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今日は環境省レンジャーと警察関係者が同行し、地名の確認、遭難しやすい場所を共有するなど情報交換できました。
羅臼に2年半赴任していた環境省レンジャーは今月で移動することになり、送別山行も兼ねてます。
彼とは知床岬巡視や登山道整備で何度も同行しました。雪の羅臼岳が良い餞別になったでしょう。
今日は厳しいラッセルに11時間行動、大変お疲れ様でした!
新天地でのご活躍をお祈りしております。

羅臼温泉ルート登山道情報
登山シーズンもほぼ終わり、今日は「屏風岩迷い込み防止ロープ」と「お花畑分岐標識」を撤去しました。
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この屏風岩迷い込み防止ロープは撤去しましたので、羅臼に下山する際はこの標識から右方向へ下りてください。

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今夏から新調したお花畑分岐標識ですが、雪圧で折れてしまうので着脱式になっています。
この標識は今日撤去しました。(さっそくヒグマに齧られていました笑)

ここから岩清水までの直登ルートはコースロープが数か所切れて不明瞭になっています。
どのみちこれからは雪で登山道を辿ることは難しいので、今後は地図とコンパスでルートを定めてください。

今後は明るい時間帯は11時間を切ります。
日の出から日没まで歩いてもこのコース往復は厳しい季節ですので、登山計画は慎重に立ててください。

ここ一週間は地質調査のサポート業務で沢歩きの日々でした。
例年なら寒さと水の冷たさに震えながらの辛い時期ですが、今年は天気にも恵まれ気温も20℃前後と快適な沢でした。

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樋のようなナメ滝

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懸垂下降。どの沢も水量は多めでした。

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恐竜の卵のようなノジュール。化石が残っていることが多い。

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サケマス遡上が多いので、川全体に魚の腐臭が漂いあちこちにヒグマの食痕。

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地層断面を調べるため、8/24に起きた海岸町の地滑り現場へ登ってきました。
間近で見ると10m以上の破断面は恐ろしいですね。

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最後の現場は英嶺山の四ツ倉沼

これで2009年から足掛け8年、延べ日数95日に及んだ地質調査も終了です。
沢登りや藪漕ぎを中心に、シーカヤックやスキーを使ってのアプローチはなかなかタフな調査でした。
地質屋としても山屋としてもハイレベルな研究者に同行してとても勉強になりました。
地質学に関しては最後まで難しくて理解できませんでしたが(笑)

来年には知床の新しい1/50000の地質図が出来上がる予定です。50年ぶりの更新とのこと。
50年前にこのような険しい調査をして地質図を作った方々には驚嘆の念を禁じえません。

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8年に渡る踏査の軌跡

7/1に羅臼岳羅臼温泉ルートの登山道整備を環境省、林野庁、羅臼山岳会合同で実施しました。

羅臼温泉ルートの残雪状況ですが、例年よりやや少な目です。
ただ、例年通りの場所にはまだたっぷり雪が残っていますので、しばらくはアイゼン必携ですね。
道がわかりにくい箇所にはピンクテープやロープを張って登山道を明確化してきました。

泊場上の誘導ロープ張り。ここは例年道迷いが多発している箇所です。
誘導ロープに沿って登れば小沢の入口に到達できます。
距離は短いですが、急斜度なので滑落の危険があります。
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油断しているとレンジャーでもこの通り、滑ります。
この直後、写真撮っていた私にぶつかったのは内緒です。

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泊場雪渓上から屏風岩まではまだ雪渓が多く登山道が不明瞭なので、ピンクテープで目印を付けています。

屏風岩下部では、例年と同じくサシルイ沢に迷い込まないようにロープを張っています。
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羅臼へ下山する際は、このロープを越えずに右方向へ下りてください。

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屏風岩の大雪渓。雪解けの時期だけ滝が出現します。
ここは斜度があるので、雪の固さによっては10本爪のアイゼンが必要な箇所です。

お花畑~岩清水までの大雪渓も距離300m以上あります。ここはガスって視界がないと迷います。
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誘導ロープに沿って登れば、登山道へたどり着けます。
羅臼平へトラバースするルートにも誘導ロープを張っています。
*絶対にロープをつかんだり引っ張ったりしないでください。

中腹では笹狩りを実施。暑さで倒れそうになりました。
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この日は炎天下の中11時間労働でしたが、若き精鋭メンバーで仕事もはかどりました。

*羅臼温泉ルートはアイゼンなど十分な装備と、時間に余裕をもって行動しましょう。下山だけでも5時間以上かかります。