7/2~4、二泊三日で知床連山縦走ガイド。
シレトコスミレを初め、高山植物の写真撮影が目的です。
初日は岩尾別から入山し、羅臼岳登頂後

三峰指定キャンプ地で幕営

2日目はサシルイ、

オッカバケ、二つ池

南岳と縦走、念願のシレトコスミレに出会う

知円別平のお花畑は満開

硫黄山第一火口指定キャンプ地で2泊目

ここはフードロッカーがまだ雪渓に覆われ使えませんでした。
念のためフードコンテナ持参してよかったです。
3日目は朝から悪天候。
強風とガスで視界もなく、硫黄山登頂は断念してカムイワッカへ下山

無事縦走達成!お疲れ様でした。
シレトコスミレの開花はほぼピークで、南岳~硫黄山にかけて咲きまくり。



コマクサとメアカンキンバイ
そして、珍しいと思うのですが、

ほんのり赤いイワウメを初めて見ました。
稜線上はどこも花盛り。重荷を担いだ疲れも吹き飛ぶような充実の3日間でした。
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昨日6.25より硫黄山登山口が条件つきで使用できるようになりました。
詳しくはコチラ
というわけで、早速今日下見を兼ねて登ってきました。

この登山口は6年ぶり
登山道の刈り払いは事前に関係機関が行ってくれたので、非常に歩きやすかったです。
ありがとうございました。

硫黄沢の雪渓は長く、H1000~1300にかけて通過に45~60分ほどかかります。
アイゼンがあったほうが早く登れるでしょう。
急傾斜の岩場をよじ登ってピークへ

山頂は縦走で来ているので2年ぶりですが、硫黄山往復は6年ぶりです。
相変わらずここの眺めは素晴らしい。個人的には羅臼岳より好きですね。
エゾノツガザクラ、メアカンキンバイ、キバナシャクナゲ、エゾコザクラ、コメバツガザクラ、イワウメなど山頂お花畑は見頃でした。
そして、今日のお目当ては

シレトコスミレ
まだ咲き始めですが、硫黄沢上部の砂礫帯に数株ほど。
第一火口に下りてみました。

指定キャンプ地はほとんど雪渓に覆われ、フードロッカーも雪の下。
ヒグマの痕跡もあちこちにありました。今日は登山者が後を付けられる事例もあったそうです。
ヒグマ対策を怠ることなく、連山縦走や硫黄山を楽しみましょう。
知床倶楽部ガイド 知床連山縦走 硫黄山登山
今シーズン最初の羅臼岳ガイドは雨中の登山でした。
小雨の振る中、サクサク登って5時間で山頂へ。

93座目とのことです。一昨日から雌阿寒、斜里の連続登山の疲れもなく元気一杯でした。
「今日もう一回羅臼岳行けるよ!」「・・・それは勘弁してください」
ウトロ側登山道7合目、大沢の雪渓は例年よりちょっと少なめ。

このようにところどころ岩が露出していますので踏み抜きに注意が必要です。
今日のように気温が低い日は雪が硬く締まっています。
前爪のある8本以上のアイゼンが必要になります。
9合目岩清水ですが、今年はほとんど水が出ていません。
なぜでしょうか?理由分かる方いましたら情報下さい。
岩清水~山頂まではまだ雪渓が3ヵ所残っています。
滑落や踏み抜きに注意が必要です。
羅臼岳花情報
ウトロ側登山口~大沢
・チシマフウロ、エゾヒメクワガタ、ヒメイチゲ、チシマザクラ(終わりかけ)、ウラジロナナカマド、ウコンウツギなど

チシマフウロ(オホーツク展望台付近)
羅臼平~山頂
・メアカンキンバイ、エゾコザクラ、チングルマ、キバナシャクナゲ、コメバツガザクラ、イワウメ、ミネズオウ、エゾノツガザクラなど

エゾノツガザクラ(山頂直下)
*早朝、集合場所の木下小屋に着くと、遭難騒ぎで救助隊やマスコミが集まっていました。
ほどなく無事に自力下山したとのことでなによりです。
悪天候と、視界不良、雪渓などでルートを失って一晩ビバークしたとのことです。
この時期の羅臼岳はまだ夏山登山気分で登るにはちょっと厳しい山。
充分な装備と体力、読図能力、判断力が必要になります。
前回の続き
6/15 霧雨のち曇り
ウィーヌプリを無事登頂し、沢型を下降して斜里側へ半島横断

ハイマツ帯は15分で通過し、シカ道が縦横無尽に走る森をH200まで一気に下る。
相変わらず林床はウルシだらけ。
ポロモイ、ヒヤラモイの上を歩き、カムイパ(獅子岩)で海岸線に出た。

この角度から見る獅子岩は初めて。
文吉湾手前で岬台地に出る。風はなく、空も少し明るくなってきた。
この到達感、達成感が味わえる知床岬はやっぱり素晴らしい場所。

12:00知床岬到達!

海岸斜面にはレブンコザクラが満開
そのまま台地の縁を歩き、国境標を越え羅臼町に入る。
ようやく今回の目的地へ到達した。朽ち果てた番屋があるだけの本籍地。

珍しく2人で記念撮影してみました。
そろそろ疲れも出てきたが、まだ頑張らないと今日中にBCへ帰れない。
ここからは海岸を行く。

カブト岩高巻き

念仏岩高巻き
カブト岩と念仏岩の高巻きは持参したロープで通過。
カブト岩の岬側斜面はザレてかなり洗掘が進んでおり、非常に危険。
念仏岩の岬側垂壁は残置ロープが短く絡まっていて使えず、緊張の登攀だった。
岬トレッキングを目指す人は安全確保のため、必ずロープを携帯すべきです。
ニカリウシでは2頭のヒグマ(兄弟?)にちょっと足止めされたが、16:30無事に二本滝BC帰着。
行動時間11時間半。長い1日だった!
6/16 曇りのち晴れ
6:00二本滝出発。あとはカヤック漕いで帰るだけ!

ペキンで、新谷さんの半島周回ツアーに遭遇。
我々は昨日のうちに追い越されていたようだ。上陸してコーヒーをごちそうになる。
途中から強い向かい風、ひたすら漕ぎまくる。
最後まで簡単にはいかないのが知床。
そして、12:00相泊へ帰還

この3日で晴れたのはゴール地点だけ。
でも大荒れになったら帰ってこられないから、この程度で済んで良かったと思います。
我々も、この長い記事を読んでくださった方も、本当にお疲れ様でした。
突然ですが、我々夫婦の本籍地は知床岬にあります。
今回は2人で最果ての戸籍を目指してみました。
といっても海岸トレッキングやシーカヤックで何度も知床岬には行っているので、ちょっとしたバリエーションルートで。
相泊~二本滝 シーカヤック
二本滝~ウィーヌプリ 沢登り
ウィーヌプリ~ポロモイ湾上部~知床岬 半島横断トレッキング
知床岬~二本滝 海岸トレッキング
二本滝~相泊 シーカヤック
以上を二泊三日で踏破する予定です。
6/14
朝から雨模様であるが、相泊からカヤックで漕ぎ出す。

追い波で緊張したパドリングが続くが、追い風に助けられて3.5時間で二本滝到着。BCを設営する。

気温は10℃以下。非常に寒かった。翌日に備えて早々と就寝。
6/15 小雨
5:00に出発して男滝右岸の急斜面に取り付く。このルートは昨年10月に登っているので不安は少ない。

女滝の沢(メオトタップ川)を遡行する。

霧と新緑の森がいい雰囲気。
ただ、昨年10月と違うのは、ウルシ。林床は生き生きとしたツタウルシで埋め尽くされ、さすがに参った。
幸い2人とも大丈夫でしたが、かぶれに弱い人なら悲惨なことになっていたでしょう。

ツタウルシ畑に突入!
稜線手前から笹薮とハイマツ漕ぎ

草露で全身びしょ濡れになるが、30分で稜線へ抜ける
ウィーヌプリ山頂。ここまで3時間半。

霧雨が降っていたが、思ったより展望が望めて満足。
これから一旦斜里側に下降して、半島横断し、知床岬を目指します。
・・・先程帰ってきて、さすがに眠いので今日はここまで。続きは明日書きます。
羅臼町に移住して16年。
知床半島最奥の住人として番屋に暮らし、登山ガイドをしています。