番屋の暮らし

前浜にはまだ残氷が漂っています。
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この時期まであるのは3.4年ぶりです。
観光船、遊漁船でのアザラシウォッチングが最盛期を迎え、まもなく流氷上での出産が始まります。
今日は薪が足りなくなってきたので、久々に薪割りをしています。
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最近は暖かくて雪解けも進み、例年より早く外作業ができそうです。
しかし知床の冬がこのまま終わるはずもなく、まだまだ薪ストーブはフル稼働中。
一年でストーブ焚かないのは、7.8月だけです。
もう少し山の雪が解けたら、雪崩跡の倒木集めないと。
このままだと、5月中には薪がなくなりそうです。

低気圧は去りましたが、羅臼は強風と高波が続いています。
前浜にホタテが上がっているかと見に行きましたが、ほんの少しだけ、しかも全部ゴメに食われてました。
流氷は強い北西の風で国後側に去ってしまったようです。
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天狗岩に打ちつける高波
番屋前の道路は10:00に通行止解除になり、三日ぶりに町へ。
最近通行止のネタが多いので、少し詳しく書きます。
番屋前の道路は「知床公園羅臼線」といい、一応道道です。
羅臼~相泊全長24kmのうち、通行止めになるのはゲートのある岩見橋から相泊の10km区間で、冬季間その間に住んでいるのは相泊の熊の穴ご夫婦、番屋北浜2名、ルサの昆布漁師1名の計5名。
番屋はたくさん立ち並んでいますが、冬になると皆自宅に帰ります。
この区間にはルサという知床連山の最低鞍部があり、冬季北西の風が強く吹くとそこを境に天候はがらりと変わります。番屋はルサの少し先にあり、ルサの出し風を直接受けることはありませんが、吹き溜まりができやすい場所で除雪が大変です。
ここに住み始めて五年、地元漁師には「あそこは人の住む場所でない」と言われ続け、初めのうちは道路管理者が住んでいることを知らずにゲートを閉めてしまったりということもありました。
もちろん今でも不便ですが、どうせ吹雪では出かけても何もできません。あきらめがついて番屋で静かに過ごしています。
例えるなら、「町で台風が来たときに家に閉じこもっているとなぜか気持ちが落ち着く」に似た感じでしょうか。地元民からは「本当に怖い目にあっていないからそんなことが言える」と言われます。まったくそのとおりで、都会育ちの僕は本当の厳しさをまだ味わっていないのだと思います。
別にここに住むことに意固地になっているわけではありませんが、厳しさも含めて知床の自然を感じることができるこの場所が気に入ってるので、本当にイヤになるまで住んでみようと思っています。
ただ現実的に考えて、年とって体力が衰えたときは厳しいなあと思います。

今日も吹雪で道路通行止四日目。
羅臼の町はときおり晴れ間も見えたが、
北浜から先は猛吹雪が続き道路開通の見通しが立ちません。
そんな番屋にわざわざ東京から閉じ込められにきた物好きな人が2名。
昼は海保の巡視船てしお体験航海で流氷クルーズしてきたそうです。
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スケソウ鍋で監禁生活を楽しんでいます。
明日の朝、除雪が入らなければ、彼らはゲートまで歩いて帰らなければなりません。
外はまだ吹雪いています。。。