二泊三日の行程で遠音別岳から天頂山までの縦走。
三日とも天気に恵まれ、稜線からの絶景を堪能。
あまり山に行けていない今シーズン、やっと満足の行く山行ができました。
遠音別バットレス
山頂より海別方面
遠音~知西の稜線
稜線上はスキーが使えず、ひたすらシーズリ(スキーをズリズリ引っ張ること一部ではをこう言うらしい)
稜線ではこの氷に悩まされる
氷筍のように大きく硬い塊が一面に広がり、アイゼンをとられる。足首を捻りそうになり体力を奪われました。
斜里側にはなく、何故か羅臼側の斜面にだけ生成されていました。
知西別岳から天頂山方面に下る。スキーが使えれば最高の斜面なんですが。。。
今回は荷の軽量化のためテントなしの雪洞泊
中からはこんな感じ。静かで快適です。
天頂山付近の岩峰
天頂山より羅臼岳方面
羅臼湖からやっとスキーが使えました。
行動記録
4/17 6:30春日町孵化場~春刈古丹川左岸尾根~13:30co800(C1)
4/18 6:00C1~7:30稜線co1150~8:00遠音別岳~12:00知西別岳~14:00羅臼湖付近co800(C2)
4/19 8:00C2~8:30羅臼湖~9:30天頂山~11:30見返り峠~13:15熊の湯
稜線縦走
3/15~21 お散歩会メンバー4名で知床岬まで縦走する計画でした。
以下は顚末記です。
3/15 曇り 稜線は西風強いので、早めの停滞決定。
6:40 相泊出発~カモユンベ入山~10:30ウナキベツ不凍沼(C1)
冬でも湧水量が多く凍らない沼
天気図をとる
3/16 晴れ 崩壊地は南西の吹き上げが強い 稜線は比較的穏やか
6:20 C1出発~青沼~9:40ポロモイ台地~12:30ポロモイ岳~15:30ヴィーヌプリ手前コル(C2)
崩壊地の崖
カリカリ雪はアイゼン装着し、スキーをズルズル
知床沼と1132峰
ポロモイ岳山頂にて
3/17 晴れ 気温高
6:30 C2出発~7:00ヴィーヌプリ
10:30 主稜線羅臼側H490付近でメンバーの一人が標高差160m、沿面距離300m滑落。
立木に激突、左足を骨折、右足も骨折の疑いあり。
頭部は無事で意識もはっきりしている。
副木で患部を固定し、スキー橇で搬送。
15:00 赤岩海岸上のH130mで幕営(C3)
無線で救助を呼びかけるが応答なし、付近に船舶もなし。
ヴィーヌプリ山頂から知床岳方面を望む
細くなる稜線
知床岬が見えてきた
C3とスキー橇
3/18 晴れのち曇り 気温高
負傷者は元気だが自力では動けず。寒さと天候悪化に備えて、赤岩の番屋を借りることにする。
7:30 C3出発~12:00赤岩番屋(C4)負傷者を収容
搬送はスキー橇に負傷者をのせ、立木を支点にロワーダウンで行う。
持参したザイル、補助ロープ、スリング、カラビナ、エイトカンなどフルに使い切った。
午後からC3を撤収し、番屋に移動。薪ストーブがあり、ありがたく使わせていただく。
頻繁に無線で呼びかけるが応答なし。
3/19 曇りのち小雨
一人を付き添いに残し、僕を含め2人で救助要請に向かう。
7:30 赤岩番屋出発~8:30カブト岩~11:00念仏岩~15:00ペキンの鼻~17:00モイルス(C5)
カブト岩、念仏岩、近藤ヶ淵などの通過にザイルを使用、疲労も手伝ってスピードは上がらず。
途中何度も無線で呼びかけるが応答なし。船舶はまったく見えず。
3/20 曇りのち晴れ 北風による波
6:00 C5出発~10:00化石浜~15:00観音岩~17:30相泊到着。電話で救助要請
19:00関係機関と協議、翌朝一番に船外機をチャーターし、救助に向かうことになる。
モイルス先の巨岩帯は雪がついて通過に手間どる。
満潮と高波で観音岩手前の岩礁(トッカリ瀬)が通過できず、3時間、H250の大高巻きをする。
観音岩の下りで懸垂下降。ザイルが雪にひっかかり回収できず。(後日回収済)
この日も無線連絡つかず、船舶も見えない。
3/21 晴れ 北西の風強し
6:00 相泊港出港~6:30赤岩番屋、負傷者収容~7:30相泊港帰着、救急車で釧路の病院に搬送
海が時化ていたので、朝一番のワンチャンスで何とか救出成功。念のため、防災ヘリも要請したが、船の救出が早かった。
負傷者は食欲もあり、元気な様子ですが、両足骨折の疑いがあるとの現場診断。
一日も早い回復を願っております。
赤岩にて救出の朝
最後に今回の山行計画責任者として
警察、消防、船頭さん、赤岩の番屋主さん、羅臼山岳会など多くの方にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたしますとともに、ご協力に深く感謝いたします。
僕と一緒に救出に歩いたメンバーSさんの素早い対応がなかったら、どうなっていたことか。また天候が良かったのも幸いでした。あれで大荒れになっていたらと思うとぞっとします。搬送の段取りや対応など、力不足を痛感しました。
わかっていたつもりであった半島先端部の閉鎖性を改めて実感。
この経験を教訓として今後も精進していきたいと思います。
知床岳に行ってきました。今回は単独です。
この時期ルートによっては日帰りが可能ですが、知床沼にも行きたかったので昨年開拓した新ルートを使って一泊二日でいきました。
3/18 6:00相泊スタート。海岸線を歩き、カモユンベから入山します。
山に入ってすぐヒグマの足跡がありました。この場所はミズバショウがあり、冬眠明けのヒグマがうろついています。
クズレハマ川を渡渉して尾根をのっこしウナキベツの沢に出ます。夏ルートの観音岩を通過しないで澄み、時間的にも変わりません。
スキーを担いで崩壊地の斜面を登る。
ポロモイ台地に上がり、12:00知床沼到着。
昨年の同じ時期は真っ白でしたが、今回は解け初めていました。ハイマツもかなり出ています。
ちょっと早いけど、今日はここで一泊。強い西風を避けて1132峰の中腹にテントを張る。
テン場から見る知床沼とポロモイ岳
翌日早朝5:30。快晴ですが、羅臼側は雲に覆われています。
雲海から昇る朝日
5:30スタート。1132峰を登り、今日の核心部、ナイフリッジです。
両側がスッパリ切れ落ち一歩間違えば真っ逆さま。ここはアイゼンピッケルで慎重に通過しました。
写真撮る余裕ありませんでした。
知床岳。強い南風で、体が飛ばされそうです。
7:30 知床岳山頂に到着。
山頂から硫黄山方面
山頂から知床岬方面
風が強く、ゆっくりできないまま下山開始。雪はカリカリでスキーが怖い。
下りは日帰りルートを使い、一気に降りてきました。
H200地点で泡雪崩の後がありました。
三年ほど前にも同じ場所で起こっていますが、さらに凄まじい爆風で1km以上離れた地点の木がなぎ倒されていました。
周囲にデブリ(雪の塊)がないのに、爆風でなぎ倒されたトドマツ。
葉は吹っ飛んで周囲にばら撒かれている。
今後、このルートを使う方は注意してください。
カモユンベ川二股付近まで到達しています。
11:00相泊に下山。二日間13時間の山旅でした。