知床湖沼

最近は真夏のような暑さが続いている。
あまりの天気の良さに、疲れの残る体でつい出かけてしまった。
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小滝やナメ滝が連続する沢を詰める
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本日最大、7mの滝
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スノーブリッジをくぐりぬける
沢は変化に富んでなかなか楽しめたが、休憩しようと立ち止まると、ヤブ蚊とブヨの大群が襲ってくるのには参った。
しかも巻き道にはどこもかしこもヒグマの大糞だらけ。スズメバチ襲撃のおまけつき!
結局ほとんど休めないまま3時間半遡行し、ハイマツを少し漕いで今日の目的地へ
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やっと着いた、やっと休める!
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思っていたより展望の開けた明るい沼だった。羅臼岳、知西別岳、天頂山が見渡せる。
沼のほとりはミズゴケ湿原が広がり、楽園に来たような感覚に陥った。
ミズバショウ、ツルコケモモ、イソツツジ、ヒメシャクナゲ、ツマトリソウが咲いている。
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ワタスゲとともに風に揺られながら、一時間ほどお昼寝タイム。
帰路を思うと憂鬱になったが、知床でこんな暖かい日は貴重だ。のんびりしよう。

今日も知床秘湖沼めぐり。
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ミズバショウの咲く小沢を詰め、源頭からは猛烈なネマガリダケのヤブ漕ぎ。
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ダケカンバの新緑が映える小さな沼に到着
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木々の隙間から羅臼岳
知床湖沼全制覇まであと7つ!

今日は羅臼湖へ雪解け状況を偵察に行くが、あまりに天気が良いので稜線まで上がってみることに。
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乗越し沢から羅臼湖を望む
ここまでは残雪を利用して登れたが、稜線上はハイマツが出ている。
せっかくだからハイマツ帯に突入、背丈以上、逆向きのハイマツに苦しめられるが、無理やり突破しウトロ側に降りると
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通称「大沼」と呼ばれる秘湖沼がある。解けていて良かった~
頭を出しているのは天頂山です。
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知床連山と大沼。
今日は暑くて思わぬ疲労感があったけど、この景色で満たされました。

今シーズン初の沢歩き。
山の中腹にある秘湖沼へ行くも、まだ解けていなかった。
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湖面が出ていれば羅臼岳が写ったかもしれない。
もっとも今日は笠雲に覆われてどのみちダメだったでしょう。
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ちょっと早かったです。残念!
アプローチした小沢は、温泉が湧き出ていたり、ナメ床が続いたり、なかなか楽しめました。
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温泉湧出口。触ったら火傷しそうなくらい熱かった。100℃近くありそうです。
白いのは硫黄成分と思われます。
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上流はナメが続き、快適に遡行
この時期は水は冷たく水量も多いが、残雪でヤブ漕ぎが減るからかえって歩きやすい。
青々とした芽吹きもキレイな季節です。

今回は本の紹介を。
「知床半島の湖沼」 伊藤正博著 共同分化社
僕のバイブルである、「知床半島の山と沢」の著者による知床湖沼巡りの記録です。
著者の伊藤さんとは何回か山で偶然お逢いしており、湖沼巡りの本を出すことは以前から伺っていました。
僕も現在知床の湖沼巡りを実行中で、まあ先を越されてしまったわけですが(別に最初を目指していたわけではありませんが)。内容はマニア向けですが、写真含め素晴らしい本です。興味のある方は是非ご一読下さい。
この本に紹介してある65の湖沼のうち、知床五湖や羅臼湖など一般ルートで行けるのは15個だけで、残りの50個は沢を遡行しヤブを漕いでやっとたどり着ける秘湖沼ばかり。中には知床の山々を鏡のように映し出す絶景の沼もあります。
僕は現段階で55個を踏査済で、残りあと10個。険しい場所ばかり残してしまいましたが、何とかあと2年くらいで全制覇したいと思っています。
個人的なオススメの沼は「春刈沼」と「幌別沼」ですね。
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幌別沼 2010.10到達
山奥の秘湖沼にたどり着いたときの喜びは、憧れの山に登頂したような感覚です。
知床の山は何年登っていてもまだまだ未知の領域を体感できる奥深さがあります。
普段はガイドとしてリスクをとらない登山をすることが多いので、1人でヒグマの恐怖に怯えながらも未知のルートを行くワクワク感もまた僕には必要です。