東岳

昨年で一旦終了した知床の地質調査。まだ少しやり残しがあったとのことで一年間延長になりました。

ということで、今回は昨冬たどり着けなかった二か所の石をサンプリング。
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羅臼岳の中腹にて。

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強風でしたが、何とか狙った箇所の露岩を発見

翌日は知円別岳へ
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標高1300mにある若い(1万年前以降)と推測される溶岩。
ここはどの尾根から行ってもアプローチが長く、二年越しでようやく辿りつきました。

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知床岳と流氷

雪はガリンガリンに固くて滑降はなかなか辛いものがありましたが、一か所だけ良い雪が残っており、ご褒美のパウダーをいただくことができました。

今日は羅臼山岳会の訓練山行で東岳へ。
4月に警察、自衛隊、振興局、近隣山岳会が一堂に会し、山岳遭難の救助訓練が行われる予定です。
今回の舞台は知床羅臼側の山で、ホスト役は地元羅臼山岳会ということもあり、今日は訓練本番の事前リハーサル、訓練のための訓練です。

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ポカポカ陽気で春を思わせる気候の中、汗だくで登る

上部は知床特有の強風でしたが、現地の下見や通信テストを終えてからのお楽しみ
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スキー訓練

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傷病者の搬送訓練

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雪崩ビーコンとプローブによる捜索訓練

新人研修も兼ねての山行は大変有意義な時間となりました。
普段あまり活動しない山岳会ですが、今後は定期的に実施しようと思います。

おまけ
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低気圧で沖に去った流氷

常連様とともに、2週間ぶりに東岳へ。

案の定、登りは重たいラッセルに苦しめられる。
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やっと根室海峡にも流氷が入ってきました。

重荷を背負ってえっちらおっちら5時間ほど登り、日の出と流氷が見える場所にBC設営。
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今回の目的は厳冬期のテント泊と、星空や朝日の撮影です。

夜はさすがに冷え込みました。風も出て体感気温-30℃くらいでしょうか。
あまりの寒さで、撮影もそこそこに早々とシュラフに潜り込む。
寝ていると吐く息が凍結して天井に霜となり、テント内に降り注ぎます。

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翌朝は日の出とともに出発

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美しい朝焼けでした

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稜線は強風。標高1300mまで登りましたが、今回は無理をせず途中で引き返しました。

あまりの寒さに驚かれていた常連様ですが、これが厳冬期の知床登山です。
この状況下で、杯を酌み交わす一夜もまた格別なんですよね。

おまけ
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途中まで一緒だった学生パーティー。
知床岬まで縦走とのこと、頑張れ!

昨冬、知床岳を登頂した常連様とともに、1泊2日で厳冬期の東岳を目指しました。

前日に降った大雪で、スノーシューでの膝ラッセルはまさに苦行。
雪は重たく、普段の2倍近い時間を費やして標高800mまで。
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BCからのご来光。昨夜は厳冬期とは思えないくらいの暖かさでした。

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早朝は強風とガスで見えなかった稜線も、少し停滞してすっきり晴れたのでピークアタックへ出発

暖気の影響で雪が緩み、スノーシューで順調に高度を稼ぐ
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後光がさしてました

南風が強いものの、凍てつくような寒さはない。結局スノーシューのまま頂上へ
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標高1520mは知床岳も眼下に

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頂上からの眺めは抜群。高曇りでしたが、硫黄山から羅臼岳まで見えました。
流氷がなかったのが唯一の心残りですね。

ほぼ諦めていたピークを踏むことができて本当に幸運でした。

厳冬期の東岳にてBCスキー。2週続けて滑ってきました。

1/24(日)
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標高1000mからの稜線

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粉雪を散らしながら1000mのダウンヒルは至福の時間でした。

1/31(日)
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この日も稜線は天気が悪く標高850mまで

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週に一度は山に入らないと気が済まない人たち

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雪は最高で、知床ではあまり味わえない深雪のパウダーでした。

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国後に向かってダウンヒル。羅臼ならではのロケーション

東岳は近年、遠方からも滑りに来られる方が増えているようです。
BCとして素晴らしいフィールドですが、知床の気象条件は厳しいです。
冬山登山の心づもりで入山しましょう。
我々も、裏山といえるこの山の厳しさに何度も痛い目をみています。