今シーズンの漕ぎ初め、シーカヤックで中番屋までお散歩してきました。
中番屋とは、ウナキベツ河口、観音岩岬よりの浜の通称です。
観音岩付近の岩礁帯を通過
羅臼の夏は南よりの風が吹くことが多い。
相泊から半島に向かう場合、行きは追い風になりスイスイ行けるが帰りは向かい風になりけっこう大変だ。
今日も3~4mの南風が吹いており、行きは50分、帰りは90分と倍近くかかった。
今年の夏はカヤックにも力を入れないと。
相泊に帰ったら、石原さんがチェーンソーアートをしていた。
石原さんは二年ほど前から相泊の先端に住んで、チェーンソーアートをしている。
シマフクロウ、ヒグマ、エゾシカなどを一本の木材から見事に切り出す。
他に看板製作や浮玉加工なども手掛ける日本最北東端の芸術家だ。
相泊に行ったら一声かけてみてください。気さくで面白いおじさんですよ。
シーカヤック
9/8~10までNHKのシーカヤックロケに同行しました。
撮影クルー5名、ガイドは知床エクスペディションの新谷さん、僕ともう1名がサポート、計8名が相泊~知床岬まで二泊三日で漕ぐ予定です。
初日は朝から大雨、午後にあがるも風が強くなり、ひたすら待機。
結局相泊を出たのは17時で、化石浜に上陸した時は真っ暗。
薪ストーブと月夜
二日目は早起きして、夜明け前から小定置網起こしの撮影。
カラフトマスの小定置網もこれで終了です。
朝日とともに、撮影隊が帰還
カメラマンは世界中の僻地を撮っているベテランの方で、慣れた様子で重いカメラを操っていました。
二日目のキャンプ地は二本滝。
男滝や女滝にはカラフトマスが大量に群れて、それを狙ってヒグマも姿を現しました。
このヒグマは我々に気づくと、マスを一匹だけ銜えてさっさと逃げていきました。
天気図を取る新谷さん。明日の天気を予測します。
「冬型の気圧配置になり、北西の風が吹くだろう。行けるかどうかはまだわからない。
でも一つだけ言えることは
天気図を書いても天気は良くならない」
それでも携帯電話が通じない知床では、ラジオで天気図を取ることは絶対に必要です。
三日目の朝。
二本滝を出発し、カブト岩の手前で天候が急変。
突風が吹き、大雨が落ちてくる。2秒で状況が一変しました。
すぐに引き返し、定置番屋にある浜に緊急上陸。
そのまましばらく待機するも、北西の風はどんどん強くなり、知床岬到達を断念。
歩いてカブトの山を登り知床岬を望んで、撮影は終了しました。
撮影隊のメンバー。奥は知床岬
今回は残念ながら知床岬まで行けませんでした。
しかしスタッフの皆様いわく
「厳しい知床の自然や、そこに暮らす漁師のありのままの姿を撮ることができ、良い番組が作れると思います」
「NHK WORLD」の「OUT&ABOUT」という番組で、世界100ヶ国以上に放映されるそうです。
おそらく知床のシーカヤックが世界に紹介されるのは初ではないでしょうか。
日本でもBSで放映するそうなので、日がわかりましたらお知らせします。
知床の海の怖さを再認識しましたが、充実の三日間でした。
*写真や内容の掲載はNHKの許可を得ています
今日はシーカヤックで崩れ浜まで行きました。
相泊を出てすぐ、新谷さんのツアー「知床エクスペディション」と出会う
崩れ浜でスケッチする絵本作家の関屋敏隆さん
このたび、関屋さんが知床のシーカヤックを題材にした絵本を出版することになりました。
関屋さんは三年前にシーカヤック半島周回しており、僕もお供させていただきました。
今回は編集者同行取材を兼ねて体験シーカヤックです。
絵本のタイトルはまだ未定ですが、福音館書店から来年夏に出版予定。今から楽しみです。
波もなく、昆布漁を見学しながら穏やかな海のお散歩でした。
崩れ浜に咲くエゾモメンヅル。
海が穏やかだったので、シーカヤックでペキンの鼻まで行ってきました。
ペキン川に上陸して休んでいると、目の前に現れました。
お互い存在を認識するも完全無視
ペキンの海岸段丘にある鳥居。
数年前に新谷さんが塗ったペンキもかなり剥げていた。
丘から岬方面を望む
ここは眺めも良く、たくさん花が咲くので毎年訪れるお気に入りの場所です。
この時期はセンダイハキが満開でした。
その他、チシマキンバイ、ユキワリコザクラ、ツマトリソウなどが咲いていました。
今後はトウゲブキが咲き始めるでしょう。
コースタイム
9:30相泊~11:30ペキンの鼻13:00~15:00相泊
ガスで曇っていましたが風もなく、非常に良いコンディションで漕ぐことができました。
6/9~11まで知床岳に行ってきました。
今回はウナキベツ河口までシーカヤックでアプローチしました。
観音岩付近
ウナキベツ上流の通称「青沼」にBC設営。
環境省の「知床半島先端部地区利用の心得」では、知床沼の野営が禁止されています。
今回の目的の一つは、青沼から一日で知床岳山頂往復が可能か試みることです。
翌日4:00に出発して崩壊地を登り、知床沼へ。
知床沼。1132峰が湖面に映る
周辺ではミネズオウやエゾコザクラが咲いていた
エゾサンショウウオ。鳥に突かれたのでしょうか。瀕死の状態でした。
1132峰からポロモイ台地を望む。
知床岳への稜線
キバナシャクナゲ
知床岳山頂から連山を望む
結局約12時間かかりました。登り返しもあり、復路も同じくらい時間がかかります。
日の長いうちは何とか可能ですが、日没が早くなる時期は厳しいでしょう。
タイムスケジュール
6/9 相泊8:30~(シーカヤック)~10:00ウナキベツ河口11:00~12:30青沼 BC設営
6/10 青沼BC4:00~6:30知床沼7:00~10:00知床岳10:30~13:00知床沼13:30~15:30青沼BC
6/11 青沼7:00~8:00ウナキベツ河口9:00~(シーカヤック)~11:00相泊
知床岳ルート情報
*この山に登山道はありません。
不明瞭な刈分け道がありますが、たいへん道に迷いやすいルートです。
特に知床沼から知床岳にかけては、
このようなハイマツや笹藪が続きます。
また、残雪期は雪渓で刈分け道が遮断されます。
途中、何箇所か固定ロープがつけてありますが、
老朽化しており、体重を預けるのは危険が伴います。
通常の夏山感覚では登れない山です。
事前に羅臼ビジターセンターやルサフィールドハウスで情報を仕入れ、ルールやマナーのレクチャーを受けてから入山しましょう。