屋久島の続きです。
縦走した翌日は、ガイドオススメの「西部照葉樹林ツアー」に参加。
現地に着くなり、ヤクザルやヤクシカの群れが林道まで出てきて野生度抜群。
シカは知床で見慣れているが、シカとサルが至近距離で混在しているのには驚いた。
これはサルが木の上で実を食べて、そのカスを狙ってシカが集まるとのこと。
サルは行為やしぐさが人間らしくて面白いので、何時間見ていても飽きない。
行為中のカップルにちょっかい出すオスジカ。
西部照葉樹林は、常緑、亜熱帯の植物が中心で、
巨大なガジュマルやアコウの木に圧倒された。
屋久島におけるシカと森の変遷や、木の習性など、詳しく解説してくれた。
屋久島といえば杉の原生林が有名だが、ここは日本で最も大きな照葉樹林で世界自然遺産登録のキーポイント、屋久島の自然を語るには欠かせない場所だそうです。
今回、宮之浦岳縦走と西部照葉樹林のガイドをしていただいたのはYNAC。
いずれもガイド歴20年以上のベテランガイドで知識や見識が凄い。大変勉強になりました。
そして次の日はモッチョム岳へ単独行。
この岩峰、屋久島に着いた初日に見て登りたくなった。
登山口から予想通りの急登が続くかなりキツイ山だったが、距離がないので3時間ほどで山頂へ。
山頂からの眺めは抜群で、トカラ列島も望めた。
山頂で逢った単独行者は信州の登山ガイドだった。話していたら偶然にも苗字が同じだった。
こんな奇遇もなかなかないので、お互いのフィールド情報交換しながら一緒に下山した。
登山口の千尋の滝
最終日は島一周の観光と温泉三昧。
屋久島は山、海だけでなく、野趣溢れる温泉もたくさんある。
湯泊温泉。相泊温泉と一字違い。
平内海中温泉。ここは満潮時に水没する。
知床ではセセキ温泉というところか。
この二つの温泉はすぐ近くで、これも相泊セセキと似ていた。
その他にも尾之間温泉という地元民御用達の公衆浴場が素晴らしかった。
その他、大川の滝、トローキの滝などの名瀑を観光。
トローキの滝はカシュニと同じく、直接海に流れ落ちる滝だった。
トローキの滝とモッチョム岳
最後に屋久島へ移住した旧友に10年ぶりの再会を果たすことが出来た。
まだまだ登りたい山、行きたい場所がたくさんあり、たった5日間ではとても足りなかったが、
現地ガイドや地元住民にいろいろ教えていただき、とても有意義な滞在だった。
屋久島の凄いところは、たった年間観光客20万人(知床は200万人)で観光・ガイド関連の仕事がやたら多いということ。
離島という条件はあるが、ここに来た観光客はかなり地元経済に貢献している印象だった。
見る場所、歩く場所が無数にあり、観光客へのサービスも充実している。
早朝からのお弁当サービスや、登山用具のレンタル、レンタカーは激安で、安宿も多いが超高級ホテルもある。
とにかく長期間滞在してもらおうというホスピタリティが感じられた。
好みにもよるが、登山者やバックパッカーであれば断然屋久島の方が良いと感じるだろうと思われた。
知床とは気候も自然も違うので真似はできないが、学ぶべきところがたくさんあるので今後の仕事に少しでも生かせればと思案中です。
その3 九州編につづく