調査・整備

登山道整備で羅臼側ルートのロープ点検に行ってきました。

相変わらず雪は多いです。
ここ数日の暑さでそれなりに融けてはいるのですが、7月中旬では記録的な残雪量です。
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五合目泊場付近で、まだこれだけの雪が残っています。
今日はここのロープを回収する予定でしたが、先のルートがわかりにくいので、誘導ロープを残置しました。
目印にしてください。

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七合目屏風岩は相変わらずの大雪渓で、2週間前とほとんど同じ状況です。
まだスキーできます。

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このようにガスがかかると、下山時に雪渓を下りすぎてサシルイ沢に入ってしまいます。
トラロープを見落とさないようにしてください。

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八合目お花畑分岐付近。
岩清水直登ルートと、羅臼平へのトラバースルートへの誘導ロープを張りなおしてきました。

羅臼岳をウトロから登って羅臼側へ下りる方は特に注意してください。
羅臼側はアイゼン・ピッケルなどの装備、地図を読む技術が必要な中級者以上の難コースです。
この分だと、羅臼側はお盆くらいまで雪渓が残りそうです。

山開きを7/5に控え、今シーズン一回目の羅臼岳羅臼側ルート登山道整備を行いました。

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泊場を過ぎてすぐの雪壁。ここは登山道がまったくわからない状態です。
誘導ロープを張りましたので、これに沿って登ってください。急斜面です。

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登山道が雪で隠れてわかりにくい場所にはピンクテープを付けました。

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屏風岩全景。雪が多くてガスがかかるとルートを失います。
下山時にサシルイ沢へ迷い込まないよう虎ロープを張りましたので見落とさないように。

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ロープは滝の下へデポしておいたので、かろうじて取り出せました

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屏風岩の雪渓を上から。
かなりの斜度です。スキーで滑りたいです。
少なくとも8月上旬まではアイゼン・ピッケルが必要でしょう。

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8合目お花畑の雪渓はガスがかかると方向を失いやすい場所なので、誘導ロープを張りました。
これは目印なので、絶対につかんだり引っ張ったりしないでくださいね。

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羅臼平へのトラバースルートもほぼ雪渓で道は出ていません。
こちらも誘導ロープ張っています。

予想通り、例年より雪が多い羅臼側のルート。
7月とはいえ、夏山気分で来ると大変な目に遭います。
十分な装備、時間に余裕をもって挑んでください。

厳しいけど、変化に富んだ素晴らしいルートです。
今日は環境省、林野庁、羅臼山岳会合同で12時間あまりの作業。
大変お疲れ様でした!

今年も歩いてきました。
環境省の知床半島先端部地区巡視業務のサポートで、岬まで海岸ルートの往復踏査です。

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今回の海岸線ルートの情報は、ルサフィールドハウスにフィードバックしています。
知床岬を目指す方は、「知床半島先端部利用の心得」を熟読の上、ルサフィールドハウスで情報を仕入れてから出発してください。

知床岬は、気候の厳しさや原始的な景観、水平移動ながら植生の垂直分布を見ることができる点で、日本の極地と言っても過言ではないと思います。
また、海岸線のルートは日本に残された数少ない冒険・探検のフィールドでもあり、苦労して歩いた経験と感動は、きっと一生の思い出となることでしょう。
若い方は是非知床岬を目指してほしいものです。

昨年に続き、この3日間は冬期の地質調査サポート業務でした。
雪山で地質調査ができるのかとよく言われますが、露頭(露出している岩)は意外とあります。
特にこれまでの経験上、露頭はハイマツ帯に多く夏はブッシュでとてもアプローチできない場所でも冬は行きやすいという理由からです。

3/17 トッカリムイ岳
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北浜岳から細尾根を縦走

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山頂付近の岩峰

3/18 知円別岳
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モセカルベツ右岸尾根から知円別岳co1100を目指すも、稜線で地吹雪に叩かれる

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調査地点に辿りづけず、6時間のアプローチも虚しく無念の敗退

3/19 羅臼岳
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登山川右岸尾根のco800でようやく露頭発見。
今冬は雪が多くて例年出ている岩もほとんどが雪の下。見つかって良かったです。

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カリカリだった雪は適度に緩んで、快適な滑降でした。

山の雪はまだどっさりあります、春山シーズンは長く楽しめそうですね。

今から約50年前、硫黄山東岳とルサを結ぶ登山道が開削され、羅臼側から硫黄山に登るルートがあったそうです。
僅か10年足らずで廃道になってしまい、当時登られていたルートを知る人も高齢化して少なくなってきました。
正確な登山道の地図はすでになく、当時登っていた羅臼山岳会の重鎮たちの話をもとにルートを推測して辿ってきました。
40年以上経過しており、当然登山道跡はすでにないので藪漕ぎ覚悟です。

ルサ川の支流、キタルサ川を源頭付近まで詰める
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上流はナメが続く

覚悟を決めて藪漕ぎ突入
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まだまだ余裕です

ルサの稜線にて
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僅か標高300mの稜線。
ハイマツもところどころ生えており、荒涼とした高山帯の景観に魅了されました。

稜線に出てからも延々とササ藪漕ぎ。
冷たい北西の強風に叩かれるが、藪を漕いでいるのでちょうどよく感じました。
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なかなか進めない、推定時速800m/s。だいぶ消耗してきました。

幾度か
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木に登ってルートファインディングしないとハイマツ帯に突入して悲惨な目に遭います。

約5時間歩いて、当時登山道だったと思われる沢型にようやく出た。
もう昼なので、ここでタイムアップ。
ルシャ山までを目標にしていましたが、片道8㎞の藪漕ぎで日帰りはさすがに無理でした。

帰路も違うルートで延々とササ藪漕ぎ。天気は良くなった。
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小ピークからのルサの稜線。奥に見える知床岳は雪を被っていた。

かなり体力を消耗して、日没ギリギリに下山。
10時間行動中、7時間ササ藪でした。しばらくササは見たくもありません。

今回は途中までしか行けませんでしたが、今後もこのルートの踏査を続けようと思っています。
パートナーのTさん、大変お疲れ様でした。これに懲りずまた付き合ってください。