今年も歩いてきました、知床岬まで。
環境省とともに、知床岬までの海岸線ルートの巡視とレンジャーのサポート役です。
海岸線は花盛り
へつり
懸垂下降
日の出
赤岩海岸
岬灯台に立つ若きレンジャーたち
3日とも天気に恵まれ、事故もなく無事に帰れてホッとしています。
岬までの往復徒歩はホントにキツいです。1回歩くとしばらくはもう懲り懲りですが、一年経つと何故かまた行きたくなります。
歩いて到達した人しか味わえない達成感、挑戦する価値はあります。
徒歩で知床岬を目指す方は以下のサイトを参考に、ルサフィールドハウスにてレクチャーを受けてから行きましょう。
シレココ(知床半島先端部利用の心得)
*今回調査した難所などの最新情報は、ルサフィールドハウスにフィードバックしています。
おまけ
藪の中からチラ見
調査・整備
今日は網走方面遭難対策協議会の山岳遭難救助訓練に参加してきました。
羅臼岳や斜里岳は日本百名山にもなっており、夏は多くの登山者が訪れます。
年数回は遭難や遭難騒ぎがあり、警察や地元山岳会メンバーが救助隊として出動しています。
今回の訓練は地元山岳会4団体と道警山岳救助隊約20名が参加し、残雪期の羅臼岳登山道で道迷いによる遭難発生を想定して実施されました。
ガスで視界はほとんどなし。まさに遭難が発生しやすい天気でした。
羅臼岳ウトロ側登山道は、ほとんどまだ雪の下です。
班ごとに分かれて無線連絡をとりながらGPSやアバランチビーコンを活用しての捜索訓練。
登山口から直接無線は繋がらないので中継ポイントを設けますが、今回の現場では非常に限られた範囲でしか無線が繋がらないことが判明し、そのポイントが分かったのは収穫でした。
遭難者を発見後は、ストレッチャーを使っての搬送訓練
徐々に天候が回復し、下山中に知床連山がお目見え
やはり晴れると皆テンション上がります。
久々の遭難救助訓練は新鮮で有意義な時間でした。
でも本番が来ないことを願うばかりです。
ここ数日は地質調査のサポート業務でした。
これまで沢登りやシーカヤックでアプローチしてきましたが、ハイマツに覆われて行けなかった場所に今回はスキーによるアプローチを試みました。
一番の問題は積雪期でも露頭(岩が地面から露出している)が出ているかどうかでしたが、事前の下見調査と、今まで10年間スキーで歩いてきたルートの記憶を頼りに臨みました。
3/16 ルシャ山
一応主稜線上にあるが、目立たない丘のような山容で夏はハイマツに覆われアプローチが難しい山です。
取り付きから重い雪のラッセルに苦しめられ稜線に出るまでが大変でした。
稜線出ると、先日登った知床岳が姿を現す
山頂付近で露頭を発見してサンプリング。
眼前には東岳。
予定ではこの後東岳に登るつもりだったが、時間がなくなり下山開始。
上部はパウダーも、麓はバリバリのモナカ雪で疲労困憊。
3/17 東岳
前日に行けなかった東岳へ。目標は標高1000mにある露頭。
前日よりは雪が締まって順調に高度を稼ぐことができました。
上部は軽い吹雪模様でしたが、何とか見つけてサンプリング終了。
標高差1000mのダウンヒル。
スキーの名手である地質学者Iさんは、豪快に滑っていきました。さすがです。
3/18 北浜岳(通称)
我が家の裏山です。
ウチからスキーで入山するも、予想より天候悪化が早く、山頂手前で猛吹雪になりました。
それでも数箇所の露頭を見つける。
あっという間にホワイトアウト。トッカリムイ岳への縦走をあきらめてとっとと下山する。
雪はカリカリでスキーアイゼンでかろうじて登れるほど。標高は低いが、斜度もあり厳しい山です。
今回は予定していた3日間全て行動し、ほぼ目標地点のサンプリングができたので調査としてはまずますといったところでしょうか。
おまけ
磁鉄鉱が多く含まれている岩。磁石を近づけると間逆を指す。
最近は地質調査サポート業務で沢歩きの日々でした。
温泉の湧く、通称「センザキの沢」
熱くて触れないほどの熱湯が豊富に流れています。
紅葉は麓まで降りてきました。
今年の紅葉はイマイチと言われていますが、麓のミズナラやカエデは比較的きれいに色づいています。
沢の源頭から笹藪を漕いでたどり着いた小さな沼
まるで堰のようなナメ床。
今回の沢はナメが多く、遡行は快適でした。
突然現れた大滝を懸垂下降
今回は羅臼側の小さな沢から沢へ、ある溶岩を求めて調査していきました。
源頭まで詰めたら猛烈なササのブッシュを漕いでコルを乗っこし、別の沢へ降ります。
調査を始めて3日目、ある沢の支流で探してた溶岩をやっと見つけることができました。
これだけ歩き回っても、一回の調査で把握できるのはホントに狭い範囲。
何年もかけてコツコツ積み重ねていくしかありません。
最終目標である、知床半島の地質図(1/50000)完成まではまだ遠い道のりです。
おまけ
沼ではなく、砂防ダム。
たくさんのカモが羽を休めていました。