知床冬山

昨年に続き、この3日間は冬期の地質調査サポート業務でした。
雪山で地質調査ができるのかとよく言われますが、露頭(露出している岩)は意外とあります。
特にこれまでの経験上、露頭はハイマツ帯に多く夏はブッシュでとてもアプローチできない場所でも冬は行きやすいという理由からです。

3/17 トッカリムイ岳
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北浜岳から細尾根を縦走

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山頂付近の岩峰

3/18 知円別岳
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モセカルベツ右岸尾根から知円別岳co1100を目指すも、稜線で地吹雪に叩かれる

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調査地点に辿りづけず、6時間のアプローチも虚しく無念の敗退

3/19 羅臼岳
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登山川右岸尾根のco800でようやく露頭発見。
今冬は雪が多くて例年出ている岩もほとんどが雪の下。見つかって良かったです。

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カリカリだった雪は適度に緩んで、快適な滑降でした。

山の雪はまだどっさりあります、春山シーズンは長く楽しめそうですね。

常連様とともに、1泊2日で知床岳へ。
初日にBC設営して2日目にアタックする計画でしたが、初日の天気があまりにも良かったので、一気に頂上を目指しました。

知床岳はとにかく天気との勝負。冬期は羅臼岳が晴れていても、ここだけ悪いことが多い。
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稜線でこんなに穏やかなのは奇跡です

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ポトピラベツの沢

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山頂から知床岬を望む
これで知床岳夏冬登頂のYさん

日没前にテントを設営して登頂祝い
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仲間に入れてくれ、と寄ってきたが拒否

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テン場からの日の出

久々に重装備の登山で体は悲鳴を上げていますが、ともあれ登れて良かったです。
ここはホントに登らせてくれない山なので。

おまけ
ルート上では、7年ぶりに新しい雪崩跡を見つけました。
この一帯では厳冬期に爆風を伴った大規模な泡雪崩が数年ごとに起きています。
今回はP474の尾根上にある樹木が爆風でなぎ倒されていました。
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おそらく厳冬期(1~2月)の大量の積雪で正面の沢が雪崩れ、爆風がここまで到達したものと推測されます。
その後に大量の積雪があったので、写真ではわかりにくいですが。

厳冬期の知床岳では、このルートは危険なので近づかないほうが賢明です。

昨日までの暴風雪では、いつもどおり2日間のリクコト。

今朝になってもまだ道路が開かないので出かけられません。
明日からまた天気が悪くなる予報、今日行かないとまたしばらくダメそうなので、裏山で1か月ぶりの山スキーしてきました。

玄関から入山して北浜岳へ
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流氷はだいぶ沖へ去りました

久々にトッカリムイ岳までスキー縦走。
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ルシャ沖は流氷で真っ白。

尾根上の雪庇が雪の多さを物語っていました。
ここは細尾根に雪庇が張り出し、ルサの稜線を眺めながら縦走が楽しめます。
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奥はトッカリムイ岳

山頂ではワタリガラスがお出迎え。
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今冬初認です。
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ワタリガラス4羽とオオワシとランデヴーしてました

トッカリムイ岳から、いったんウトロ側におりてルサ乗り越えへ
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東岳とルシャの流氷

ルシャ川源頭。
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ここまではブッシュが濃く、けっして快適とは言えない滑りでした。雪は良かったのですが。

ここから稜線を越えて、ルサ川に出て帰着。
北浜岳~トッカリムイ岳~ルサ乗り越え~ルサ川とぐるっと一回り、10㎞のスキーお散歩。
約5時間で、スキー登行、シートラ、アイゼン、シーアイゼンと冬山登山がコンパクトに一通り楽しめます。

帰宅したらようやく道路が開通していました。

北浜岳(通称)は我が家から入山できる裏山です。

玄関から山スキーで入山。
雪はクラストしてガリガリ、シーアイゼン必要でした。
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山頂下の細尾根。ルサのっこしからの風をもろに受けるので標高500m以下でも灌木とハイマツがあり、高山帯の様相です。
バックは東岳。

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ルサのっこしの向こうに、ルシャの流氷が見えました。

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山頂からは相泊沖に流氷帯。
ウトロに接岸してから僅か2日で知床岬を回り込んできたようです。
羅臼流氷初日ですね。

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ここからトッカリムイ岳までは、細尾根の本格的な縦走が楽しめます。

スノーシューでのガイドも承っております。
知床のスノーシュートレッキングガイド

再び雪山を味わいたく、斜里岳を北西稜(三井コース)から登ってきました。

麓はほとんど雪がない。
五合目付近から数㎝の雪を踏みしめながら高度を稼ぎ、樹林帯を抜けると
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雪化粧した斜里岳が眼前に。
左が北稜、ルートは右の北西稜。

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山頂直下から北壁を望む。ここから急登が続く。
休まず登っても、まだ冬仕様になっていない体が冷え切ってしまう。

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ナイフリッジ。高度感抜群。

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無事山頂へ

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東尾根と標津の山々。

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北稜にある通称大槍と呼ばれる岩峰。(3年前の斜里岳北稜

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今回辿った北西稜

山頂は-10℃の体感、雪は少なくとも、十分冬山味わえました。
久しぶりの白い斜里岳、北壁は特に美しい。