この山は知床連山縦走路にありながら、通過されていくだけでピークを踏む人はほとんどいない。
僕もまだピークを踏んでいなかったので、今日は単独で登頂を目指しました。
朝から快晴だが、雪はカチカチに締まっていた。
麓からスキーアイゼンを装着して快調に登るも、稜線で出るとガスにまかれる。
コンパスを当てて進むも、ハイマツにさえぎられてルートファインディングが難しい。
晴れるのを信じて進むと
ガスが取れて知円別岳がお目見え
知円別分岐でスキーをデポしてアイゼンへ。
締まった雪にアイゼンは良く効いた。
縦走路は羅臼岳までクリアに見えた。
知床岬方面
ウブシノッタ沢の向こうには東岳と知床岳
時間に余裕があったので、東岳までプチ縦走。
東岳山頂にて
さあここからまだしぶとく残っている流氷に向って、標高差1500mのダウンヒル!
・・・といきたかったが、稜線はカリカリで恐る恐るの斜滑降、麓はズブズブであまり滑れませんでした。
*東岳は800~1200mのハイマツがかなり出ており、今後はルート取りが難しくなりそうです。
行動記録
6:20旧知円別小学校~10:30知円別分岐~10:45知円別岳~11:30東岳~13:40旧知円別小学校
おまけ
エビのしっぽと流氷
知床冬山
ここ数日は地質調査のサポート業務でした。
これまで沢登りやシーカヤックでアプローチしてきましたが、ハイマツに覆われて行けなかった場所に今回はスキーによるアプローチを試みました。
一番の問題は積雪期でも露頭(岩が地面から露出している)が出ているかどうかでしたが、事前の下見調査と、今まで10年間スキーで歩いてきたルートの記憶を頼りに臨みました。
3/16 ルシャ山
一応主稜線上にあるが、目立たない丘のような山容で夏はハイマツに覆われアプローチが難しい山です。
取り付きから重い雪のラッセルに苦しめられ稜線に出るまでが大変でした。
稜線出ると、先日登った知床岳が姿を現す
山頂付近で露頭を発見してサンプリング。
眼前には東岳。
予定ではこの後東岳に登るつもりだったが、時間がなくなり下山開始。
上部はパウダーも、麓はバリバリのモナカ雪で疲労困憊。
3/17 東岳
前日に行けなかった東岳へ。目標は標高1000mにある露頭。
前日よりは雪が締まって順調に高度を稼ぐことができました。
上部は軽い吹雪模様でしたが、何とか見つけてサンプリング終了。
標高差1000mのダウンヒル。
スキーの名手である地質学者Iさんは、豪快に滑っていきました。さすがです。
3/18 北浜岳(通称)
我が家の裏山です。
ウチからスキーで入山するも、予想より天候悪化が早く、山頂手前で猛吹雪になりました。
それでも数箇所の露頭を見つける。
あっという間にホワイトアウト。トッカリムイ岳への縦走をあきらめてとっとと下山する。
雪はカリカリでスキーアイゼンでかろうじて登れるほど。標高は低いが、斜度もあり厳しい山です。
今回は予定していた3日間全て行動し、ほぼ目標地点のサンプリングができたので調査としてはまずますといったところでしょうか。
おまけ
磁鉄鉱が多く含まれている岩。磁石を近づけると間逆を指す。
今冬は忙しくて中々スキーができなかったのですが、今日は2ヶ月ぶりのスキー山行で知床岳へ行ってきました。
日の出と共に流氷ビッチリの相泊を出発。
樹林帯は新雪ラッセル。単独だと交代要員もいないので、消耗が激しい。
ここは雪崩が数年おきに起こっている場所で、樹木がなぎ倒されたまま。
今年は起きていない模様。2008年を最後にまだ確認してません。
天気は良いが稜線の風が強い。
700mでシートラ、40度の壁をアイゼンで登るがここも積雪がどっさり。あずって大変でした。
やっとのことで登りきる。このころから風が落ちて視界もクリアになる。
羅臼側の流氷
稜線に出ると知床岳が眼前に。
いつもはカリカリの稜線にも新雪が50cm。これから地獄のラッセル。
山頂までがながかった!
7時間かかってようやく山頂へ。クリアな知床連山が美しい。
知床岳山頂にこんな雪があるのは初めて。
知床岬方面
ウトロ側の流氷もまばらに
シールを外して山頂からのスキー滑降、雪が深すぎてスキーが潜ってしまい全然スピードが出なかったです。こういうときは幅広の板が良いんだろうなあ。
結局帰りもけっこうなラッセル強いられました。
それでも下山はかっ飛ばして2時間ほど。麓はバリバリのモナカ雪で足がパンパンです。
最高の天気に恵まれましたが、今までで一番キツかった知床岳日帰りでした。
そろそろ冬山を味わいたく、羅臼岳へ。
思えば今夏は、仕事の山ばかりでした。久々のプライベート登山です。
例年通り、泊場を過ぎたあたりから登山道に雪が。
中途半端な積雪で、足が抜かって非常に歩きにくい。
屏風岩は昨年の今時期に比べ、雪はまだ少なかった。
屏風岩上部より
お花畑標柱あたりから雪がクラストして固く、アイゼン装着。
山頂付近は時おり晴れ間が出るも、猛烈な風が吹いている。
風速15m近い烈風を受けながら、何とか岩清水到着。
ここまで来ると写真撮るのも大変。
さすがにこれ以上は危険なので、撤退しました。
山頂溶岩ドームは雪と氷の世界
お望みどおり冬山を存分に味わって下山。
最初からここまで厳しい仕打ちに遭うとは・・・
ピークには行けませんでしたが、久々にアイゼンの音が小気味よく響きました。
知床の山はまもなく冬本番です。