沢登り

前回の続きです。

標高700mあたりで雪渓が切れ、ブッシュに突入
DSCN1206
ハイマツを覚悟していたので、灌木帯が楽に感じた

そして最後の難関、背丈以上のハイマツ帯に突入
DSCN1209
ルートファインディングが上手く行き、僅か30分ほどで山頂へ抜けることができた

DSCN1214
山頂はテント1張り分のスペースと三角点があった

DSCN1225
山頂から知床岳を望む

DSCN1213
知床岬へ続く稜線

ポロモイ台地(知床沼)からここまでのハイマツ地獄は凄まじいと、先人たちは口を揃えて言う
DSCN1229
見たところ、その言葉に間違いはなさそう。いつかこの稜線を辿ることになりそうだ

下りは沢から尾根へ出てペキンの鼻に下りる
DSCN1248
まるで知床岬へたどり着いたときのような景色

DSCN1255
ペキンの鼻にある鳥居に安着のお参り
この日はBCから11時間行動、念願の無雪期初登頂でした。

翌日、帰りのカヤックはガスで真っ白。
DSCN1260
何とか2泊3日の旅が無事に終わりました。

僕にとって、初めてのカヤック+登山が8年前の「冬にスキーをカヤックに積んで行く」でした。
連れて行ってくれた僕の師匠曰く「これが知床スタイル」
以来、その考えを引き継いでこれまで実践してきました。

知床岳
ウィーヌプリ
ウィーヌプリ+知床岬

半島先端部に道がない知床では、カヤックでのアプローチに必然性がある他、時間や体力の軽減にもなります。
しかし海は山以上に海況判断が難しく、毎回「海が荒れて帰って来られない不安」との戦いです。
羅臼側なら最悪海岸線を歩いて帰ればよいのですが、これからはそれも叶わないウトロ側に挑戦してみようと思ってます。

ポロモイ岳は知床半島先端部にある992mの山。
登山道はもちろん、刈分けもないハイマツのジャングルに覆われた到達困難な山の一つです。

今回はアプローチにシーカヤックを用いて登頂を目指しました。
DSCN1109
カモイウンベ川からの知床岳

DSCN1119
チシマキンバイ

DSCN1140
化石浜

ペキン河口に上陸、BC設営
Exif_JPEG_PICTURE
翌朝の日の出

DSCN1172
ペキン川を遡行

DSCN1238
沢は増水していたものの比較的容易で歩きやすかった

DSCN1191
唯一の高巻きがこの滝

DSCN1198
沢はやがて雪渓に

DSCN1203
高度を上げていくと、国後島の向こうに択捉が見えた

後篇に続く

知床湖沼巡り、山中一泊で最奥の沼を目指しました。
hitokoma2014-1025-1.jpg
単調な沢が延々と続く。
今回は目的がもう一つ。この沼でテントを張ること。
hitokoma2014-1025-2.jpg
ベースキャンプ地は最高のロケーション。
音はキツツキのドラミングだけ。夜はずっとフクロウが鳴いていた。
夜中は相当冷え込んだ。
うっかり沢靴を外に出しっぱなしにしていたら、ガチガチに凍っていた。
hitokoma2014-1025-3.jpg
朝焼けに染まる遠音別岳が湖面に映る。
冷たい湖面に沢靴を浸して解かし、すぐに履いて出発。
足が凍傷になりそうだったが、休まず歩いていたら温まってきた。
源頭まで沢を詰め、延々と籔を漕ぎ、やっと着いた。
遠音別バットレス直下にある最奥の小さな沼。
hitokoma2014-1025-4.jpg
轟音とともに、数十mの滝が沼に流れ込んでいた。
帰路は地形図に載っていない沼を目指した。
hitokoma2014-1025-5.jpg
小さな沼だが、ここも逆さ遠音別。
事前にこの本で知らなかったら絶対来れなかったでしょう。
おまけ
hitokoma2014-1025-6.jpg
沢は真新しい倒木だらけで歩きづらかった。

相泊沼へ行ってきました。無雪期は7年ぶり2回目です。
思い返せば、僕の知床秘湖沼巡りはこの沼から始まりました。
相泊沼は相泊川源頭標高400mにあります。
相泊川の1/25000地形図が間違っているので、地形図どおりに遡行すると迷ってしまい、到達が困難な沼です。
*詳しくは「知床半島の山と沢」伊藤正博著を参考にしてください。
hitokoma2014-1020-2.jpg
通称赤い滝。直登も可能ですが、濡れたくないので今回は高巻きました。
hitokoma2014-1020-1.jpg
ササ籔のトラバース
hitokoma2014-1020-3.jpg
15m2段の滝。突破は厳しく、大高巻きで1時間要しました。
hitokoma2014-1020-4.jpg
相泊沼到達!
川の出入りのない湧水の沼。水はとても冷たい。
hitokoma2014-1020-5.jpg
荒涼とした晩秋の相泊沼。
あと一週間早ければ紅葉が映えたでしょう。
hitokoma2014-1020-6.jpg
下流部は小滝や釜が連続してけっこう楽しめます。
hitokoma2014-1020-7.jpg
往復で約8時間。
ササ籔に苦しめられましたが、GPSで正しい沢ルートを引く事もできたし、今は心地よい疲労感に浸っています。

ここ一週間は地質調査のサポート業務で沢歩きの毎日でした。
今回は登山川、センザキの沢、翔雲川、松法川、ハシコイ川、幌別川に入って断層の有無や地質、火山灰の調査を行いました。
地質学者はこのような調査を、特に火山のある地域では、昔から地道に行っています。今回の御嶽山の噴火についていろいろ教えていただきましたが、実際は火山活動の予測は大変難しく、どの時点で入山規制させるかは経済的、政治的な問題であるとのことです。
ちなみに知床では、羅臼岳、硫黄山、天頂山が活火山に指定されています。
hitokoma2014-1011-7.jpg
hitokoma2014-1011-8.jpg
hitokoma2014-1011-9.jpg
hitokoma2014-1011-1.jpg
hitokoma2014-1011-2.jpg
hitokoma2014-1011-3.jpg
hitokoma2014-1011-4.jpg
hitokoma2014-1011-5.jpg
そろそろ沢に入るのも辛い季節になってきましたが、j紅葉の渓谷を歩き、突然現れる大滝、変化する渓相は歩いていても飽きることはありません。
おまけ
hitokoma2014-1011-6.jpg
巨大なメノウの原石